会長挨拶

日韓国際学術学会(JKIAS)

日韓国際学術学会の設立にむけて

 このたび、日韓の学者、医療従事者、ジャーナリスト、弁護士などが集まり、日韓の懸案についての学際的な研究を行う日韓国際学術学会を設立することになりました。この学会のルーツは、2013年に関西の韓国人研究者の集まりから生まれた在日韓人学術会議ですが、日韓の友好と共同研究を切望するメンバーと日本人研究者が会議に参加していくことで、やがて学術会議は日韓研究者フォーラムに発展していきました。

 日韓は、自由、民主主義を共有する国家として、この半世紀相互依存関係を深め、第1次から第4次韓流ブームを経て、両国の民際交流はますます活発化してきました。とはいえ、日韓の政治摩擦の影響を受けることもあり、日韓の学術交流は下火の傾向にあります。しかし、コロナ感染症の世界的拡大とウクライナーロシア戦争の勃発で、人々の新しい生き方が問われています。感染症対策と経済をどう両立していくか、経済安保をどう考えるか、国家はナショナリズムとどう向き合うか、国家・企業は少子・高齢化問題にどう対応していくか、医療・ITの進歩に法整備をどう進めるかなど、日韓の学者、医師、ジャーナリスト、法曹界の担い手が学際的にこうした問題を研究し、冷静な目で解決策を模索することが大切であると思います。

 この学会は政治学、経済学、観光学、社会学、文学、言語学、教育学、体育学、医学など、分野を異にするさまざまな領域の学者、研究者が集まり、日韓が抱える懸案、東アジアが共有する問題について、国際的・学際的に研究を深める日韓共同研究の新しいアカデミアにしていきたいと思っています。志を共有する多くの研究者の参加をお待ちしています。


2022年 5月

日韓国際学術学会会長 朴一